maneoの決算分析を会計士がしてみた~ノンバンク上場企業との比較も~

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みんなのクレジットが金融庁から行政処分勧告を受けた影響で、決算書も見ておく必要があるなと考え、この記事を書いています。

ソーシャルレンディング(投資型クラウドファンディング)は少額・短期間から投資でき、利回りも高くて話題です。
ただ、「ソーシャルレンディングのリスク」の記事でも紹介した通り、ソーシャルレンディングは元本保証されないという欠点があります。

元本保証されない可能性として、ソーシャルレンディング事業者が経営不振に陥った場合が挙げられます。
企業として継続可能かどうかを確認するには、公表されている決算書を見るのが、一番手っ取り早いです。
そのため、maneoの決算書を見て、安全かどうかを他社比較で確認してみます。

今回の記事は専門的なのでご注意ください。
また、この決算書分析は、投資を勧誘するものではなく、あくまで個人的な見解・分析であることを、あらかじめご承知おきください。

maneoの決算分析

maneoの決算分析をしていきましょう。

maneoをはじめとするソーシャルレンディング業者は、取引業者に貸す利息と投資家へ支払う利息の利ザヤで稼いでいます。

ソーシャルレンディング業者は、ノンバンク(消費者金融)の取引と内容が似ています。
そのため、消費者金融に個人的には全く興味ありませんが、ノンバンクの上場企業などと比較しながら分析してみます。

どこが貸付していて、どの会社が分析の対象?

maneoの決算書をHPで見に行くと「maneo株式会社」と「maneoマーケット株式会社」の2つの企業があります。
どちらの会社を分析すれば良いでしょうか?
次のスキームを確認すると、匿名組合出資契約をしているのはmaneoです。
そのためmaneoの決算書を見ておけばいいでしょう。

maneoスキーム
こちらは、平成28年3月31日付の貸借対照表と損益計算書です。

maneo BS

 

maneo PL

早速maneo株式会社が安全かどうかを確認してみましょう。

maneoの安全性分析

安全性分析には、貸借対照表(BS)を使います。
ここでは、ノンバンクの代表格である、アイフルとオリエントコーポレーション(オリコ)とmaneoを比較してみましょう。
いずれも連結ではなく個別決算書で、平成28年3月31日を基準として、流動比率*1と自己資本比率*2を比較してみます。

maneo アイフル オリコ
流動比率 103.2% 294.8% 114.9%
自己資本比率 3.32% 19.2% 5.1%

*1:流動比率とは流動資産/流動負債×100(%)で求める安全性分析の一つ。高いほうがいい。1年以内に支払期限の到来する流動負債を、1年以内に現金化できる流動資産でどれだけカバーできているかといった短期的な支払能力を示す指標。
*2:自己資本比率とは自己資本/総資本×100(%)で求める安全性分析の一つ。高いほうがいい。資金調達を返済期限のない株主資本でどれだけ行っているかといった安全性の指標。

以下、簡単に個人的な感想です。

①流動比率
maneoの流動比率は、100%を超えており、特にそこまでの問題はなく、オリコと比較してもそこまで遜色はないかと思います。
アイフルと比較すると、アイフルの方が優良ですが、アイフルの場合、過払い金などの支払リスクもあり、現預金などの流動資産を高めにしていることが考えられます。

ただ、maneoの場合は、流動資産を固定資産に、流動負債を固定負債に組み替えられていないので、流動比率の分析は複雑ですね。
(詳細はワンイヤールールの節で後述します。)
流動資産>流動負債なので、問題はないかと思います。

②自己資本比率
maneoの自己資本比率は、少し心配といった程度かなと。
ただし、maneoは創業10年ぐらいと間もないことを考えると、利益が赤字であれば問題ですが、赤字でない限り、そこまでの心配はないかと。
(自己資本比率は、利益を蓄積していくと上がります。maneoは公表されている2012年からは常に黒字で利益が発生しています。)
アイフル、オリコはともに創業40年は経っているため利益が蓄積されていると言えます。
maneoも今後、自己資本比率を高めていけばいいと考えています。

 

ざっくり①、②をまとめると

  • 資産>負債であり、特段の問題はない。
  • 2012年から利益が毎年発生しており、自己資本比率の低さは、今後の事業展開で高めていける

 

次のワンイヤールールについては細かいので、わからなければ無視してください。
個人的な見解ですし、不親切かなと思う程度で、決算書に影響はないと思いますが、一応書いておこうかと思います。

ワンイヤールール

決算書の表示科目の分類としてワンイヤールールというのがあり、例えば一年以上返済義務のない預り金は、「長期預り金」として、流動負債ではなく固定負債に分類することになります。

maneoが取り扱っているローンも、募集期間は20か月などもあり、maneoの決算日(3月31日)より一年以上(12か月以上)かかることがあります。
本来ならば、匿名組合出資金は流動負債に全額計上するのではなく、決算日より1年以上のローンに対する匿名組合出資金は「長期預り金」として固定負債に組み替えないといけません。

同様に、営業貸付金も、本来は、流動資産から投資その他の資産として、固定資産に組み替えないといけないでしょう。

この流動から固定への決算書の開示科目の組み替えはmaneoはやってません。まぁいいんでしょうけど。

上場していないことや、資本金が5億円未満、負債200億円未満であることから、公認会計士の監査を受けてないので決算書について、ここでは細かいところまで突っ込まないようにします。

ただ、この水準で推移すると、おそらく来年ぐらいには負債200億円を超えるんじゃないかと思います。
来年ぐらいには公認会計士の会社法監査が必要になってくるかもしれませんね。

まとめ

ざっと見た感じ、上場企業と比較してもそこまで遜色ないかなと。
借り手が倒産などしても、元本回収のリスクを負うのは投資家であってmaneoではありません。
そのため、maneoが倒産することはないと思います。
ただし利ザヤビジネスなので、投資案件が少なくなると収益が上がらなくなり危うくなるかもしれませんね。
いずれにせよ突然、maneoの事業が継続できなくなったりするリスクは個人的には少ないと考えられます。

ただ、監査が入ってないため、決算書の信頼性は、監査がある上場企業などと比較すると劣ります。

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