不動産投資

オーナーズブック(OwnersBook)に投資する際の案件の選び方

オーナーズブック不動産担保

オーナーズブック(OwnersBook)に投資する際の案件の選び方のコツについて、セミナーで教わってきました。
オーナーズブックでは、借り手企業の詳細な情報は公開されていませんが、
担保となる不動産については比較的詳しく掲載されています。
そのため、担保について詳しく分析することが重要です。

今回の記事は、通常の不動産投資を行う際にも役に立つと思います。
なお、オーナーズブックについての紹介はこちらの記事をご覧ください。

投資(選び方)のコツ

安定性を重視したいなら、担保はレジデンスを選ぶ

担保を選ぶときは、レジデンス(マンションなどの住居)の方が価格が安定しています。
リスクを抑えたい方はそちらを選ぶといいでしょう。
ただし、例外的に東京都の港区などにある外人向けの大きな高級マンションは景気に連動します。

一方、オフィスの価格は、景気に連動します。
景気が悪くなったときに、一気に担保の価格が下がり、元本割れしてしまうという可能性があります。
特に、銀座や表参道のような”きらびやかな”立地の場合は、その傾向が顕著です。

建てられた時期をチェックする

担保となっている建物が地震などで倒壊してしまっては価値が減ってしまいます。
そのため、地震に強い建物を選ぶ必要があります。

その際に目安になるのが1981年6月1日に施行された新耐震基準です。
これ以降に建築確認(*)を受けた建物に関しては、新耐震基準が適用されています。
建築確認後を受けた後に、建物が完成するまで時間がかかることを考えると、
大型の建物の場合は1982~1983年以降に竣工(完成)した建物であれば、耐震性については合格点と言えるでしょう。
*建築確認: その建物が法令上問題ないかどうかを役所がチェックすること

もし、新耐震基準(1981年)の建物が、地震でバタバタと倒れるようでは、
バブル期に建てられた大量の建物も危険という話になってしまいます。
1995年の阪神大震災でも、倒壊した建物の多くが旧耐震基準で建てられており、
新耐震基準で建てられた建物の多くは大きな被害を免れたそうです。

稼働率をチェックする

都内のマンションで、稼働率が90%を切っている場合は理由を調べたほうが良いでしょう。
80%だと低すぎて危険です。

オーナーズブックでは、このように稼働率が掲載されています。

3. 賃貸借の状況
1階から4階までを住居として現在賃貸中です。1Kタイプ6戸(16㎡台から20㎡台)及び2LDKタイプ1戸(56㎡台)の計7戸から構成されています。稼働率は88%(2017年6月1日時点;専有面積ベース)となっております。
https://www.ownersbook.jp/project-detail/index/1057/より引用

ただし、この案件の場合、1つのマンションに7戸しかないため、
1戸空きになっただけで90%を切ってしまっています。
このような場合はあまり気にしなくて良いでしょう。

なぜ、一般に90%を切ってはいけないかというと、
家賃を1000円ずつ下げて募集すれば、いずれ入居者は見つかるからです。
それだけのことすら怠っている物件は危険だと考えられます。

賃料をチェックする

昨今の入居希望者は、SUUMOなどの検索サイトを使い、家賃を1000円単位で比較しますので、
大きく家賃相場から外れるということは考えにくいです。

以下は、最近募集された「江東区マンション第1号ファンド第1回」の賃貸借の状況です。
黄色いマーカー部分に賃料の平均坪単価が記載されています。
坪単価(*)なので、SUUMOなどの家賃と比較するためには面積で割る必要がありますが、
賃料が高いか低いかを判断することが可能です。
*坪単価: 住居面積3.3㎡あたりの家賃

3. 賃貸借の状況
(略) 住居部分の現行月額賃料(共益費込)の平均坪単価は11,600円程度となっており、外部不動産鑑定士により査定された住居部分の新規月額賃料(共益費込)の平均坪単価は11,800円程度となっております。
https://www.ownersbook.jp/project-detail/index/1057/より引用

もし、賃料が相場より高い場合も問題です。
なぜなら、その入居者がたまたま高い賃料を払っているだけで、
退去後は相場並の水準に下がってしまうかもしれないからです。

おわりに

今回はオーナーズブックの投資案件の選び方について紹介しました。
今まで、担保について気にしていなかった方は一度見てみるといいかもしれませんね。

オーナーズブックの公式サイトはこちらです。

 

リートvs現物不動産 ~税金、購入費用、出口戦略はリートが有利~

不動産

リートと現物不動産投資を、購入費用、利回り、税金、出口戦略などの10項目で比較してみました。
結論から言うと、私個人としてやるならリートです。

リートvs不動産投資

各項目について、リートと不動産投資の特徴をまとめてみました。(2017年6月基準)
本文で詳しく説明します。

項目 上場リート 不動産投資
購入物件の選択 できない 可能だが、手間がかかる
購入金額 少額で分散可能 多額で分散は厳しいか
購入費用 証券会社に支払う購入手数料 購入金額の5~7%程度
利回り 3.0%~4.0% 表面利回りで5%~10.0%
レバレッジ 信用取引で3倍までは可能 フルローンも可能
運営費用 原則必要なし 管理会社に支払う管理費、修繕費、固定資産税など
税金 配当、売却ともに20%の分離課税 収入は総合課税、売却時は分離課税
売却(出口戦略) 上場しているため、いつでも売却可能 3ヶ月以上の時間が必要
増資 選択不可 自己選択
相続評価 市場価格(有利選択可能) 市場価格とかい離する場合あり

購入物件の選択

リートの場合、投資法人のアセットマネージャーが物件取得から売却まで行うので、投資家が物件売買に関与しません
また、個人では購入できないような物件(100億以上する物件など)も保有しています

リートは主にスポンサー企業(三井不動産や三菱地所など)から投資物件を取得しています。大手企業の持ち物を取得できるわけです。

ただし、ここで注意です。リートは、購入物件の選択できないと言いました。
つまり、「この物件は、この値段で買ってはいけないだろう。高値掴みじゃないの?」とあなたが思う投資物件を、リートが独自に購入してしまう場合があります。

スポンサー企業は、自社の利益になるように、できる限り自社物件を高値でリートに売りたいわけです。(もちろんスポンサー企業も十分に気をつけているようですが。)
リート銘柄は「スポンサー企業などからババ物件をつかまされる」可能性があるわけです。

そうなると、リートの市場価値は下がり、株価も下がります。ご自身の資産額が下がります

ご自身が保有するリートでババ物件をつかまされた場合、「ちょっと待ってよ!そんな物件、そんな高値で買わないでよ!」と言っても遅いので、損切りも視野に入れる必要があります。

一方、現物不動産投資の場合は、リートと異なり取得物件を自分で選べるメリットがありますが、現地調査などを行う必要があり、非常に手間がかかります。
相対取引*なので、価格の妥当性も見えにくいのが実情です。常に相手はなぜこの価格で売りたいのかを考える必要があります。

*相対(あいたい)取引: 市場を通さずに、当事者同士が1対1で行う取引のこと。

購入金額

リートは少額で購入できます。これは何よりもメリットです。1口10万以下で買えるリートも多いです。
そのため、分散投資が可能です。(分散投資がオススメとは一概に言えません。集中投資が資産形成には必要な場合もあります。)

一方で、現物不動産投資の場合は、特殊なリゾートマンションなどの物件を除き、最低でも300万~400万以上は必要で、いい物件になればなるほど、高くなります。
そのため、リートと比較すると分散投資はできないと言えます。
(銀行借入は考慮していません。借入額が多くなればなるほど、リスクは高まります。)

購入費用

リートの場合は、GMOクリック証券の株主優待で購入手数料のキャッシュバックがあるため、購入費用が実質ゼロの場合もあります。
ネット証券であれば、どこも、手数料は1,000円いかないぐらいです。
一方で、不動産投資の場合は、仲介手数料、不動産取得税、登録免許税、司法書士への報酬、印紙税などで購入金額の5%~7%程度かかります。(特に仲介手数料、不動産取得税が高い。)

利回り

10年間超の長期保有を前提に考えると、利回りが全てを決めると言っても過言ではありません。
2017年の年間の利回りは、リートの場合、3%から4%ぐらいです。
(ちなみに、スターアジア(3468)などのリートであれば利回り8%です。単年度の利回りだけでなく長期的に分配が安定するかどうかも視野にいれましょう。)

現物不動産は表面利回りが5%~10%(健美家のサイトでみると約7.5%)ぐらいでしょうか。
購入費用、後述する運営費用と税制を考慮すれば、現状高値で売買されていることもあり、実質利回りでも3%から4%ぐらいでしょうか。
そこまで利回りに差があるわけではなさそうです。



レバレッジ

リートは信用取引を使えば、手持資金の3倍までは購入することができますが、日々の値動きでマイナスになったときに、追証が発生するため、信用取引はオススメできません。
手持資金だけでやったほうがいいでしょう。

現物不動産の場合は、銀行からの借入によって、フルローンも可能です。
ただし、フルローンの場合は、銀行に主導権を握られるわけです。
空室が発生して収入がないときも銀行に返済しなければいけませんし、金利が上昇した場合に返済金額が高くなったりするわけで、リスクは高いです。
できれば、現金で頭金をある程度払っておくか、借入額に見合う現金を確保しておきたいところです。

運営費用

リートの場合、アセットマネージャーが全て行うため、投資家は一切関与不要です。
ただし、リートETFやリートの投資信託に投資した場合は、信託報酬などがかかります。(年1%未満が多いです。)

一方、現物不動産の場合、管理会社に委託しないと、賃料入金確認や入居者対応等が必要となります。
管理会社に委託する場合は、家賃(収入)の5%ほどかかります。また、固定資産税の評価額×1.4%の固定資産税が毎年かかります。

税金

上場株式にも同じことが言えますが、リートの場合は分離課税です。源泉徴収ありの特定口座で購入や売却をしていれば、分離課税かつ申告不要なので、確定申告の必要がありません。
いくら稼ごうが20%(復興特別所得税除く)です。売却益も20%です。
税制において、分離課税は最強です。
ただし、リートの分配金は、上場株式と異なり、配当控除はできませんので、分配金に対して20%の分配金が課されます。

利回り4.0%であれば、手取りで3.2%ぐらいになります。100万円投資で3.2万、1億円投資で320万です。いくら稼ごうが税率が一律20%になるわけです。

一方で、現物不動産は、不動産所得(事業所得)として、総合課税です。
総合課税なので、稼いだ分だけ税金が上がります。
あなたが会社員でない場合は、健康保険料などの金額も上がります。

売却時は、分離課税となりますが、今度は投資金額から、建物の減価償却費などを差し引いた金額を基準として売却益を計算します。
詳細は割愛しますが、税率は39%(短期所有の場合)と20%(長期所有の場合)なので、リートの場合は長期所有の税率と変わりません。

「不動産所得のマイナスを出すことで節税できる」と巷ではよく言われていますが、不動産所得が常にマイナスの方は、「負動産」をつかんでいる可能性もあります。
節税だけで言えば、法人設立や航空機リースなどの仕組みがあります。
そちらの方が、ずっと節税になります。

どんな所得でも、キャッシュフローで見てプラスになって初めて投資が成功していると言えます。
もちろん、売却時にトータルでプラスになっていればそれで成功です。
節税額以上に損をしていては、意味がありません。

売却

リートは、いつでも市場における時価で売却可能であり、流動性は極めて高いです。その分、簡単に損切りの判断をしてしまうこともあります。

一方で、現物不動産は、通常、不動産業者と契約を締結した後、売却までに3ヶ月以上は要することから、流動性は低いです。
売るに売れず、値下げして今までの家賃収入を吐き出す可能性もありますし、売れないまま好景気になり高値で売れるという可能性もあります。

将来のことは誰にもわかりません。

増資

リートは増資をします。増資したお金で新規物件を買ったりします。
増資した場合は、財務は安定しますが、株が希薄化するので一般的には株価は下がるといわれています。(優良物件であれば、そこまで下がらないことも。)
増資については、ご自身の判断ではできませんので、思わぬ含み損が発生する可能性もあります。

一方で、現物不動産の場合は、増資のリスクはありません

相続評価

リートの相続評価は、下記1~4のうちいずれか最も低い価格によって評価します。

  1. 課税時期の最終価格
  2. 課税時期の属する月の毎日の最終価格の月平均額
  3. 課税時期の属する月の前月の毎日の最終価格の月平均額
  4. 課税時期の属する月の前々月の毎日の最終価格の月平均額

最も低い価格なので、相続評価額は低くなる可能性が高いですが、株数が多くなければ、そんなに評価額に大差はありません。

一方で、現物不動産の場合は、貸家であれば評価減など、相続評価額を減らす様々なメリット(特典)があります。
現物不動産の評価減のメリットを享受したければ、参考程度ですが、共同出資型不動産という選択肢もあります。

まとめると相続評価という観点から見ると現物不動産の方が有利でしょうか。

まとめ

リートと現物不動産については、それぞれメリット・デメリットがあります。
人口が減少していく中で東京都心に多くの優良物件を持ち、流動性が高く、購入費用もほとんどかからず、税制面でも有利な上場リートがいいかなと個人的に考えています。

※あくまで個人的な意見であること、ご承知おきください。