少額・短期間から投資でき、利回りも高くて話題のソーシャルレンディング(投資型クラウドファンディング)。
しかし、完璧な投資商品はありませんから、リスクや問題点もあります。以下に挙げる特性を理解した上で、適材適所で活用していきましょう。
元本保証がない
元本保証はされません。借り手やソーシャルレンディング事業者に何かあった場合、最悪のケースだと投資した資金が一切返ってこないことがあります。
もちろん、逆に、投資額を超えて損をすることもありません。
元本保証はされませんが、元本割れがあったりすると投資家が離れていってしまうので、ソーシャルレンディング業者は色々と対策をしています。例えば、融資先の審査をしっかりと行ったり、担保を取ったり、会社代表者の連帯保証を取ったりしていることもあります。そのような業者を選べば比較的安心です。
当サイトで紹介しているソーシャルレンディング業者はほとんどが担保を取っているはずです。担保を取っていれば、借り手に何かがあったとしても、元本が保全できる確率は高まります。
また、クラウドクレジットが行っている保全策については以前こちらの記事で紹介しています。
ちなみに、今までソーシャルレンディングが元本割れしたという話は聞いたことがありません。
たとえば、maneoは過去6年間で600億円以上の貸し付けを行っていますが、元本割れはもちろん、予定利回りを下回ったことも一度もないそうです。
途中解約できない
ソーシャルレンディングは満期が決まっており、原則的に途中解約ができません。その期間中に必要になるお金を投資してしまわないように、運用期間を確認した上で投資しましょう。
途中解約はできませんが、そのおかげで解約しようかどうしようか迷って時間を無駄にすることもありません。株式投資だとつい途中で売りたくなってしまい、売ったら株価が上がっていったなんてこともありますが、ソーシャルレンディングではそういう心配はないです。
ソーシャルレンディングは運用期間があらかじめ決まっているため、収益をコントロールしやすいというメリットもあります。それについてはこちらの記事も参考にしてください。
投資後にできることがない
投資したあとは業者におまかせで、自分にできることはありません。逆に言うと何もしなくていいというメリットとも言えます。
そのため、忙しい会社員や、初心者でも始めやすいです。
満期前の償還(早期償還)
ソーシャルレンディングでは、貸し付けた資金が予定よりも早く投資家に返済されることがあります。
そうなると、他の投資先を探さないとなりませんので、手間がかかります。
ただ、早期償還は基本的にはメリットだと考えています。
なぜなら、短期間で高い利回りを得ることができるからです。
ソーシャルレンディング各社のファンド一覧を見ていると、年あたりの利回りは運用期間が長いほど上昇する傾向にあります。
たとえば、最近のみんなのクレジットのファンドの例をあげてみます。
《第100号》 不動産ローンファンドは18ヶ月で8.10%
《第101号》 不動産ローンファンドは16ヶ月で7.50%
100号案件が16ヶ月で償還されれば、101号案件と同じ運用期間なのに、利回りが0.60%高くなるということになるのです。
※利回りは年換算利回りです。
また、みんなのクレジットやトラストレンディングといったキャッシュバックがある業者の場合は、運用期間が短くなるほど利回りが向上します。
運用期間が変わってもキャッシュバック額は変わらないからです。
ちなみに、私もつい先日、みんなのクレジットで9000円のキャッシュバックを受けました。
ただし、後述する待機時間も考慮すると、早期償還によって実質利回りが低下する可能性があります。
投資先が見えない
ソーシャルレンディングでは投資先の詳細が分からないようになっています。これは、怪しい事業や会社だから公開していないのではなくて、法律や金融当局によって規制されているためです。
投資先(借り手)を投資家(あなた)に公開してしまうと、貸金の扱いになり、投資家が貸金業者になってしまうという理屈です(!)。
なんとも奇妙な話です。このあたりの法制度がしっかりとしてくれば、アメリカのようにソーシャルレンディングがさらに普及すると思うのですが。
とにかく、投資家からは投資先が分からないので、ソーシャルレンディング事業者を信用するしかありません。信用できる業者を選ぶようにしましょう。当サイトでは、私たちが投資するに値しないと判断した業者は紹介していません。
分配金は雑所得
ソーシャルレンディングの多くは毎月分配金が支払われます。これは雑所得になるため、所得が多い人にとっては税制上不利です。
株の利益は約20%課税されるのですが、ソーシャルレンディングの場合、本業の所得が多い人は最大で約55%も課税されてしまいます。この場合、法人化を行うことで税金を減らせる可能性があります。また、収入の少ない家族がいれば、その人の名義にすることで節税することもできます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
株と違って特定口座のような仕組みがないため、確定申告が少し面倒です。
この辺は今後の法整備に期待したいところです。
投資までの待機時間がある
ファンドにはそれぞれ募集期間がありますが、募集終了日から実際に投資が実行されるまで時間があります。この間は資金をすでに振り込んでいるにもかかわらず利息が発生しないので、実質の利回りは低下します。
たとえば、クラウドクレジットの例を見てみましょう。(図はクラウドクレジットから引用して加工)
赤枠で囲った部分を見てください。募集終了は2月下旬なのに、貸付実行は3月上旬になっており、この間は利息が発生しないことが分かります。
また、投資効率を考えれば、募集終了間際に投資するのがよいということになりますが、人気の案件だと、募集開始後すぐに投資しないと募集終了してしまうことがあります。たとえばラッキーバンクやトラストレンディングではしばしば起こります。その場合、さらに待機時間は長くなります。
投資が実行されるまでは借り手にはお金が渡ってはいないでしょうが、ソーシャルレンディング事業者にはお金が渡っています。そのため業者の倒産リスクを負うことになります。
業者の倒産を避けるという観点では、クラウドクレジットやmaneoには大企業が出資しているという点を考慮するとよいでしょう。
出金手数料がかかる
業者によっては出金手数料がかかります。一方で無料の業者もあります。
みんなのクレジットやオーナーズブックは有料ですが、クラウドクレジットやラッキーバンク、トラストレンディングは無料です。
こちらの記事にまとめていますのでご覧ください。
おわりに
ソーシャルレンディングのリスクや問題点について見てきました。投資をする上で、リスクを知ることは大切です。
知ることでヘッジできるリスクもあります。複数の業者や案件に分散投資を行い、運用期間もずらすことで軽減できるリスクもあるということは覚えておきましょう。
分散するのは投資の基本です。
ソーシャルレンディングランキング
全て無料で口座開設できます。
1位 クラウドクレジット
海外に投資できる点が、他のサービスにはない特長で利回りも高め。
海外分散投資をしたいならおすすめ。伊藤忠商事が株主。
2位 オーナーズブック
不動産特化。金利は5%と比較的低めだが、物件やリスクに対する説明が豊富なので、よく知った上で投資できる。SNS機能で投資家同士が交流できる点は他にない魅力。
3位 maneo(マネオ)
日本初のソーシャルレンディング。最大手で業界シェア50%超。実績ナンバーワン。投資先が豊富。
4位 FUNDINNO(ファンディーノ)
日本初の株式投資型クラウドファンディングサービスで、うまくいけば数十倍になって返ってくることも。
ファンドの募集が開始されました。
5位 クラウドバンク
証券会社が運営するクラウドファンディング。
140億円の募集実績がある。