税法

個人事業主、フリーランスの皆さま。税金高いなぁと思っていませんか?
サラリーマンを経験し独立された方は、一律で所得から控除される給与所得控除の存在をうらやむ人も中にはいるでしょう。

でも大丈夫です。ここでは、青色専従者給与を使える方で、事業所得800万までの方を対象に、夫婦そろって所得税5%を目指す方法についてご紹介したいと思います。
(正確には復興特別所得税と住民税が別途かかります。)

もちろん、配偶者は生計同一で、専ら事業に従事していること、税務署に青色専従者の届出を提出していることを前提としてお話しします。
勤務実態がない場合は、青色専従者給料は認められません。
(青色専従者給与は、勤務内容と比較して支払額が高くないかなど、税務署側も厳しくみるところです。青色専従者本人が、他にパートなどをしている場合は、税務署の印象はよくありません。)

また、その際、税務署に届け出ている金額以上の給料を支払っても必要経費にはなりませんし、他の従業員と同じ業務をやっているのに専従者だけ支給金額(時給)が高すぎるのも「×」なので、ご注意ください。

青色事業専従者給与に関する届出は、必要経費に算入しようとする年の3月15日までに税務署に提出する必要があります!新規に青色専従者給与を支払いたいという方は、期限が決まっているので気を付けてください。新規に開業した場合は2か月以内です。

所得税率5%を目指す方法

まず、自営業者であれば、青色専従者給与を支払うだけで、最低でも青色申告特別控除65万+給与所得控除65万=130万の控除が合法的に使えます。
これは非常に大きいです。

では所得税率5%はどれぐらいの所得なんでしょうか。
目指すべき所得は夫婦2人で195万円以下です。所得195万以下では所得税率が5%となります
全てに共通するポイントは、青色申告特別控除と給与所得控除や所得控除を使って、課税される所得を195万にすることです。
個人事業主であれば、次の方法で所得分散を図りつつ、所得を減らしていきます。

  • 青色専従者給与(妻、両親など生計同一の親族)
  • 倒産防止共済(特殊な業界や不動産所得のみの場合を除く)
  • 小規模企業共済
  • 401kや国民年金、国民健康保険

所得税率5%の具体例

「具体例とか目安とかないの?」

私が考えた例でよければ、、、ご紹介します。(一切の責任は負えませんので、ご留意ください。)

まず個人事業主で所得が800万を超えるのであれば法人化をおススメします。(士業など独占資格は法人化が特殊なので除く。)
個々の事業や環境によって様々変わりますし、法人税の均等割りが最低年間7万円かかるなど制約はありますが、所得800万を超えていれば、法人化して給料をもらったほうが、給与所得控除を使えるメリットがあるためです。
また個人事業から法人成りにすると、条件はありますが、消費税の支払いも2年遅らせることもできます。

以上から、所得税率5%を目指す方法を、個人事業かつ青色申告特別控除前の所得800万円までに限定して、所得100万円ごとに紹介します。
もう一度言いますが、青色専従者給与は勤務実態があり、世間一般でおかしくない基準で支給してください。

所得500万まで

事業のみで所得が500万ぐらいであれば、妻は無税でも、夫は所得5%の水準にできます。

あくまで目安ですが、ポイントとしては、次の通りです。
①妻の給料は年96万。この給料だと所得税と住民税ともにゼロ。
②小規模企業共済を掛けて所得控除を図る。

  • 所得100万
    青色申告特別控除前の所得 100万
    青色専従者給与 0
    青色申告特別控除 65万
    所得金額 35万

    夫35万、妻0万で夫婦ともに所得税はゼロ。

  • 所得200万
    青色申告特別控除前の所得 200万
    青色専従者給与 96万
    青色申告特別控除 65万
    所得金額 39万

    妻に給料を96万(月8万)支給。
    夫39万の所得。所得税などほぼゼロ。
    妻は給与所得控除65万+基礎控除35万により所得ゼロ。

  • 所得300万
    青色申告特別控除前の所得 300万
    青色専従者給与 96万
    青色申告特別控除 65万
    所得金額 139万

    妻に給料を96万支給。
    夫の所得は139万で、195万以下なので所得税率5%。
    妻は給与所得控除65万+基礎控除35万により所得ゼロ。

  • 所得400万
    青色申告特別控除前の所得 400万
    青色専従者給与 96万
    青色申告特別控除 65万
    所得金額(夫) 239万
    所得控除(夫) △108万
    課税される所得金額(夫) 131万

    妻に給料を96万支給。
    夫239万の所得。ここから195万を超える所得金額になるので、所得控除を入れて考えます。
    夫の所得控除は、社会保険料控除として国保世帯分+年金2人分=70万、基礎控除38万の合計108万。
    夫の所得239万から所得控除108万を引いて課税される所得金額は131万で所得税率5%。
    妻は給与所得控除65万+基礎控除35万により所得ゼロ。

  • 所得500万
    青色申告特別控除前の所得 500万
    青色専従者給与 96万
    青色申告特別控除 65万
    所得金額(夫) 339万
    所得控除(夫) △148万
    課税される所得金額(夫) 191万

    妻に給料を96万支給。
    夫339万の所得。ここで小規模企業30万を掛ける。
    夫の所得控除は、社会保険料控除として国保世帯分+年金2人分=80万、基礎控除38万、小規模企業共済30万の合計148万。
    夫の所得339万から所得控除148万を引いて課税される所得金額は191万で所得税率5%。
    妻は給与所得控除65万+基礎控除35万により所得ゼロ。




所得600万から800万まで

あくまで目安ですが、所得が600万以上になると、青色専従者給与の給与所得控除+小規模企業共済などを使って、戦略的に所得税率5%を目指す必要があります。

  • 所得600万
    青色申告特別控除前の所得 600万
    青色専従者給与 240万
    青色申告特別控除 65万
    所得金額(夫) 295万
    所得控除(夫) △128万
    課税される所得金額(夫) 167万

    妻に給料を240万支給。
    夫295万の所得。
    夫の所得控除は、社会保険料控除として国保世帯分+年金2人分=90万、基礎控除38万の合計128万。
    夫の所得295万から所得控除128万を引いて課税される所得金額は167万で所得税率5%。
    妻は給与所得控除を加味した所得が150万で基礎控除38万を考慮すると112万。195万以下の所得となり、所得税率5%。
    結果として夫婦ともに所得税率5%

  • 所得700万
    青色申告特別控除前の所得 700万
    青色専従者給与 240万
    青色申告特別控除 65万
    所得金額(夫) 395万
    所得控除(夫) △210万
    課税される所得金額(夫) 185万

    妻に給料を240万支給。
    ここで夫の方の小規模企業共済を72万掛ける。
    夫は社会保険料控除として国保世帯分+年金2人分=100万、基礎控除38万、小規模企業共済72万の合計210万。
    夫の所得395万から所得控除210万を引いて課税される所得金額は185万で所得税率5%。
    妻は給与所得控除を加味した所得が150万で基礎控除38万を考慮すると、112万。195万以下の所得となり、所得税率5%。
    結果として夫婦ともに所得税率5%

  • 所得800万
    青色申告特別控除前の所得 800万
    青色専従者給与 320万
    青色申告特別控除 65万
    所得金額(夫) 415万
    所得控除(夫) △220万
    課税される所得金額(夫) 195万

    妻に給料を320万支給。
    ここで夫の方の小規模企業共済を72万掛ける。
    夫は社会保険料控除として国保世帯分+年金2人分=110万、基礎控除38万、小規模企業共済72万の合計220万。
    夫の所得415万から所得控除220万を引いて課税される所得金額は195万で所得税率5%。
    妻は給与所得控除を加味した所得が206万で基礎控除38万を考慮すると、168万。195万以下の所得となり、所得税率5%
    結果として夫婦ともに所得税率5%

おまけ~事業税~

計算の詳細は割愛しますが、事業税の免税点は290万です。青色申告特別控除額は考慮しないので、上の事例でいうと所得400万から事業税がかかってしまいます。その場合、所得290万以下になるまで妻の給料をあげることで、事業税は免税となります。
ただし、事業税は経費になりますので、今回の事例では妻を無税にする方を優先しています。
より戦略的に考えたい方は税金のシミュレーションをしてみるのもいいでしょう。

おまけ~個人事業主本人も給与所得~

個人事業主の方でも給与所得控除を使いたい場合は、法人設立して給与を払えば解決しますし、自分がアルバイトなど他の仕事で給与をもらえれば給与所得控除が使えます。その場合のキーワードは「65万まで給料+事業」です。これで給与所得はゼロになります。

ただし、給料なので、支払先が給料で出さないと、自分で勝手に給与所得にできませんので、ご注意を。(雇用契約を締結する必要がある)

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